怒ロー3周年記念企画
●はじめに
こんにちは、当Webサイト『マクレーンコミックス』の管理人です。『怒りのロードショー』、および『野獣大統領』の読者の皆様、いつもありがとうございます。
『怒りのロードショー』は今から約3年前である2014年5月、作者マクレーンにより、新都社『月刊コミックニート』様にて連載をスタートいたしました。
その後、皆様のご好評と大反響をいただきましたおかげで、現在ではKADOKAWA『コミックウォーカー』様での不定期連載?(実は僕はそこまでの事情を知りません^^;)に事実上移行する運びとなりました。
今回は『怒りのロードショー』3周年記念といたしまして、連載開始前、そして連載初期の資料を皆様に公開させていただければと思い、このようなページを作らせていただきました。
見せられる範囲ではありますけれど、読者の皆様に少しでも喜んでいただければ幸いです。
それでは、ごゆっくりお楽しみください!
●キャラクターデザインを見る
まずはいきなり「怒ロー」キャラたちのキャラクターデザインを公開しちゃいましょう。しかし、よくよくPCの中を漁って見ても、僕の手元にはそのあたりの資料が全くと言っていいほどありませんでした。
というわけでマクレーン本人が漫画作業で忙しい中に電凸し、最初期の資料を送ってもらいました。^q^サンキュー
では、早速見ていきましょう。
●一番最初のデザイン
メイン四人+村山の初期デザインが収められた一枚。
この時点でイメージが固まっているヒデキ、まさみ、村山に対し、シェリフとごんぞうはこの時点ではまだふわふわしているのがわかりますね。
Web時代からご覧の方ならお分かりかと思いますが、
このシェリフっぽいのは実はごんぞうで、
このキリッとしているのがシェリフの初期デザインです。
連載が進むにつれ、シェリフとごんぞうのデフォルメ加減が上がっていきましたが、当初の二人はそれぞれもうちょっと大人っぽかったことがわかりますね。ちなみに第一話初登場時の顔はこちら。
全然違う・・・^^;
このラフの中にところどころ出てくる謎のイケメンが誰なのか、残念ながら僕にはわかりませんでした。マクレーンに聞いても教えてくれなかったので、もしかしたら今後登場するのかもしれません。
●ネーム前の仮デザイン
先ほどの一枚よりイメージが固まっていますね。でもヒデキだけは何も変わっていない・・・^^;
やはりシェリフは初登場時のちょっと大人びた雰囲気で、ごんぞうが今のシェリフっぽい雰囲気になっていますね。とりあえずこのデザインを元に一話を描き始めたようです。
へんたいキャラではない・・・???
●第一話から第二話に
第一話の公開後、マクレーンが「やっぱりキャラのデザインは少し変えようと思ってる」みたいな事を、悩みながら僕に教えてくれた事がありました。
その後、実際に出来上がってきた第二話のネームや作画を見て、「あ、変えたんだなぁ」くらいにしか僕は思わなかったのですが、なんと彼は第一話が終わった後にもう一度デザインを新しく描き直していたのでした。それがこちら。
シェリフだけはまだ大人びた雰囲気が若干残っていますが、ごんちゃんは今のデザインに近づいていますね。まさみとヒデキはあまり変わっていない・・・。
全員集合。身長や体格、立ち方なんかがメモってありますね。でも実際に漫画になるとごんぞうはもっと小さくなってた気がする。
第二話冒頭との比較。・・・冒頭?
●妹キャラ、トト
僕の認識間違いでなければ、連載前の時点では「怒りのロードショーは基本的に男キャラだけで、女の子はあまり出さない」みたいな事で、彼とは何度か話していたと思います。
しかし、「やっぱり家族キャラは必要」「女の子もいた方がいいかな?」という事で第三話より登場したのが、シェリフの妹であるトトです。
打ち合わせのSkype越しですら伝わってくる、トトのデザインをどうするかという悩み。多分、マクレーン本人にとってはレギュラーの女の子キャラがどれほど重要なのかがわかっていたのでしょう。そんな悩みに悩みぬいた末に誕生したと思われる初期デザイン、一気に見ていきましょう。
最初の一枚ではおでこが強調されていたり、服装が違ったりしていますが、その後の一枚では現デザインに近づいているのがわかります。
そしてこちらがひとまずの決定デザイン。
先ほどまでに比べて幼くなりましたね。キャラ付け含めて相当試行錯誤を繰り返した事が伺えます。実際、本編でも回を重ねるごとに微妙に変えたりしていたみたいですし、それだけ苦労するキャラなのでしょう。
シェリフ、トトの私服デザインの決定デザインのようです、これはペン入れ直前に描かれたものなのかな?
なんか踊っているようなカットも発見。
作品でも一、二の人気キャラであろうトトちゃんのデザインは、こうして誕生したのですね。というかこんなに資料があるとは知らなかった。
ちなみにその中に紛れてたヒデキの私服。こんだけしっかり決めたのに、未だに1カットでしか使われていないような。
●初期ネームもちら見せ
初期エピソードのネームも貰ったので、ちょっとだけ公開しちゃいます。まずは第一話のこのページから。
これは第一話の2ページ目、いつもの4人が初登場しているシーンですが、公開時に比べて大きな違いがあります。わかりますか?
そう、苗字があるんですね!!
実はネーム段階では苗字があったのですね。本人に改めて確認してみたところ、この設定は現在生きているわけではないみたいで、公開直前にやっぱり苗字はいらないという事になったみたいです。なので、今回は伏せさせていただきました。
ネームなのに尋常じゃないほど描き込まれたスタローン。言うまでもないことですが、マクレーンはシュワちゃんとスタローンが超好きです。
第一話のクライマックス。やっぱり村山のイメージはこの頃から確立されていたようです。そして、もう一つ。
村山にも名前があった!
メイン4人同様、村山の名前候補も伏せさせていただきます。マクレーン曰く、ここは公開すると全国の村山○○さんにご迷惑がかかるから絶対に公開しないで、と言われました。^q^;
続いて第二話。
作画用のフリクションインクが乗ってますね。この頃はネームをトレスする形で下書きをしていたはずなので、ところどころこういった痕跡が残っているのが面白いです。こう言うの見ると漫画を作るのって大変なんだなって素人ながら思います。
そして第三話。
これらのページを見ると、地味~にコマ割りやページ割りが違いますね。本人によると、第三話はページ割りを厳密に作らないまま下書きに入ったそうですが、それってなんだか逆に大変そうと思うのは素人だからでしょうか。
菩薩のようなトトのカットも・・・。
そして、第三話で個人的に一番気になっているのがこれ。
トトにハチマキ・・・?
●裏話1 怒りのロードショーが生まれるまで
最後に、話せる範囲内でちょっとだけ裏話なんかも。
2014年5月に公開された『怒りのロードショー』ですが、実際に題材が決まって制作にこぎつけるまでには、随分と時間がかかった気がします。そういった企画自体は、多分その半年ほど前から始めていたような。
ここでその企画時点での紆余曲折を語り尽くすのは難しいのでカットするとして、今回は実際に題材が決まった際の裏話をちょこっとだけ。
先ほど、僕は「怒りのロードショーは基本的に男キャラだけで、女の子はあまり出さない」という方針が事前にあった、という話を書きましたが・・・、それは何故かというと、実は『怒りのロードショー』と並行して、『女子キャラメインの映画とは関係のない漫画』も連載する予定だったのです。
もう一つの漫画の企画も、本人レベルでは進んでいたようですが、実際に連載が始まってみると、やっぱり二本同時はきつかったようで^^;
元々、本人の中で『映画話メインで男が駄弁ってるだけの漫画』がどれだけ読まれるのかという不安もあったはずですから、変な話、保険的な意味合いもちょっとはあったように思います。
ですが、第一話〜第二話の時点で好評価をいただけて、それなりの手応えを感じたというのもあり、心置き無く連載を一本に絞る事が出来たわけですね。まさしく皆様の応援のおかげです。
その後、「怒ローは気軽に描けなくなってきたから、何か気楽に描けるのをもう一本描きたいなぁ」という事で別の連載を始める話が立ち上がり、その時に僕は「じゃあ、ついに女の子メインの漫画を描くのだなぁ」と思ったわけですが・・・。
全然違うじゃねーか!
●裏話2 大反響のその裏で
マクレーンが当時どう思っていたかはわかりませんが、僕は実際の公開が始まる前から「この漫画はウケるだろうな」と思っていました。
理由はいくつかありますが、やはり単純に「彼の漫画が独特で、面白いから」というのが一番でしょうか。
彼の過去の作品もほとんど読んできている身からすると、「ある程度日常を題材にした漫画の方が彼には合ってるんじゃないかな?」という実感もありまして、これはWeb漫画とは関係のない時期、それこそ10年近く前から言っていたような。「ラブコメ描いてみなよ」とか・・・。
しかし、実際に公開されてみると想像以上の反響がありました。第二話の時点で、twitterを中心として多くの方に話題にしていただきましたし、2014年7月に掲載されたEpisodeIV、そして9月に掲載された第五話の公開時には、それこそ僕らだけでは把握しきれないほどのツイートとご感想をいただきました。
ありがたいことに、今でも新作の公開時にはたくさんの方に話題にしていただいています。彼にとっても、それが物凄いモチベーションになっているみたいです。
そして第五話を掲載した後、2014年の9月〜10月ごろには、ちょこちょこと出版社の皆様からお声をかけていただけるようにもなっていました。
このあたりの経緯については、果たしてどこまで書いていいのかは難しいのですけれど、ものすごくざっくり言うと、単行本の話自体、この前後から出ていました。
皆様もご存知の通り、『怒りのロードショー』は2017年1月末にKADOKAWA様よりコミックスとして刊行されました。実際に店頭で並ぶ際には「ついに」や「ようやく」と言った表現をしてくださる方もいらっしゃいましたが・・・一番そう思っていたのは多分マクレーン本人だったんじゃないでしょうか。2年半くらいかかってるわけですしね。
僕は直接やりとりをしていたわけではないのですし、あまり言うべき立場ではないのかもしれませんが、出版社様をはじめ、単行本刊行に助力いただきました皆様、ありがとうございました。
単行本化についてもう一つだけ。
マクレーンにとって、そして僕にとっても共通の思いですが、「この漫画が世に出る事が出来たのは新都社さんのおかげ」という強い思いがあります。
自由に、自分の描きたいものを直接読者の方に読んでもらえて、感想をその場で貰える。たったそれだけのことですが、彼の漫画が多くの方に読んでいただけるようになったのはそれがきっかけでした。そのきっかけから、彼にとっては大きな目標だったであろう商業デビューにまで繋がったのだと思います。
新都社の運営の皆様、そして読者の皆様。本当に、本当にありがとうございました。
その後、けじめという意味も込めてコメントランキングからは外させていただきましたが、本作は今もコミックニート様に登録されたままです。誰かからお叱りを受けるまでは、こっそりこのままでいようと思います。
●ひとまずまとめ
以上、ほんの一部ではありますが、初期資料・ネーム・裏話を公開させていただきました。今後も加筆や追記、また彼からのツッコミによる誤りの修正(あとはお叱りを受けた場合の削除とか!^q^;)もしていく予定ではあります。
まとめに行く前にちょっとだけ昔話。
今から3年、準備段階を含めると約3年半ほど前に、本作品「怒りのロードショー」のスタートが決まりました。もちろん当時はデザインもネームも、題材すら決まってはいませんでしたが。
経緯はバッサリと省きますが、彼が「Web漫画を描く」と決めた際に僕は彼と「それ以外の全てをやる」と約束をしました。そしてそれからこのサイトにて連載されていた間、それなりには手伝いはさせていただきました(逆に言えば今はほとんど何もしてません)。
僕は漫画の実制作にはほぼほぼノータッチです。たまーに内容や台詞に口を出してマクレーンに嫌な顔をされていたくらいです。なので、実際には邪魔にしかなっていなかったかもしれませんが、それでも少しくらいは彼の手助けになれたのではないかな~、と手前味噌ながら思っています。
サイトの管理人として、制作に関わった一人の人間として、そして彼の友人として、改めて「怒りのロードショー」読者の皆様に厚く御礼を申し上げます。
皆様、ありがとうございました。
これからも「怒りのロードショー」とマクレーンを、よろしくお願いいたします。
マクレーンコミックス管理人